昔私の家のトイレはには本棚がありました
Posted by admin on 2016年8月26日昔、私の実家には変な習慣がありました。父がトイレで読書をする癖があり、そのせいでトイレットペーパーなど保管しておく棚の上には常に父用の本が何かしら置いてあったのですが、それを真似した母や兄弟も父に続き本を並べ、遂にまだ小学三年生くらいだった私まで自分の本を置いておくのは格好いい事なのだろうと思い込みお気に入りの本を並べたのです。
それから誰かがブックエンドを持ち込みいよいよ本格的に本棚らしくなりました。並んだ背表紙を眺めてこの本は誰のかなとか、へぇこんな本を読んでいるのかなんてワクワクしながら用を足した記憶があります。私の本はヤングアダルト小説だったり漫画ばかりで、他の家族からみればすぐに私のものだと分かっていたはずです。マメな性格の父の本には大抵しおりが挟まっていたり、母が一回トイレで大好きな恋愛小説に没頭するとなかなか出てこなくなったり、それぞれの読書スタイルが垣間見れて、あれはとても新鮮で面白い習慣だったな今さらながら思います。家族の中で取り立ててトイレ図書館について話をする事はなかったのですが「朝のトイレが込み合う時間帯は本は禁止にしよう」と、夕食時に突然父が言った事はよく覚えています、読書好きの父の事は他の家族の本まで気になってしまい遅刻しかけた洋で自戒の意を込めていたと、後に母から聞いて二人して笑った事を思い出しました。