小説と私、友だちと私、似た者同士。
Posted by admin on 2014年3月23日小説を読む上で共感をするというのは、とても大切なことだと思います。主人公ではなくてもいい。脇役でも、状況でも、たった一言でもいいんです。共感することでおもしろいと思ったり、自分にない発見をしたり、気持ちが軽くなるのだと思います。共感をしても、その小説を書いている人はもちろん自分とは違います。ですから、似たようなことを違う角度で切り込んでくれるのです。考え方が広がります。視野が広くなります。あちらこちらを指差したように、教えてくださいます。小説は私にとってそういうものです。だから共感は大切だな、と思うのです。ですので、共感できないものはポカンとしてしまうことがあります。なんでかなぁ、と考えてみると私にとってその小説内で起こっている出来事は共感の範囲内になかったのですね。似たような、あるいは重ねられる経験がないものですから共感が出来ない。人生経験不足といえばそれまでですが、作家さんと私は違うし、もちろん登場人物と私も違います。けれど類は友を呼ぶということわざがあるように、きっと似たような経験をすると親しみがわくのでしょう。同じようなことを言えば、なんとなく理解し合えるような気持ちになります。その空気感が好きです。同じようなことが言えるから、踏み込んではいけないところも理解し合える。そして、距離が縮まっていくのだと思います。そう考えると、なんだか小説との距離も友だちに近いものがあるのかもしれません。