本屋とカフェの絶妙な組み合わせ
Posted by admin on 2014年11月23日最近、本屋の敷地内にカフェがあって、そのカフェで未購入の本を読める。というサービスのある本屋さんが増えてきています。私はこのサービスを心の底から奨励しているのです。実に素晴らしいシステムではないでしょうか。考案した人を褒め称えたいとちょっと偉そうですが思っています。私の身近の(もちろん私も含めて)本好きは大体最初の3ページを読んで購入するかしないかを決めます。好きな作家さんの新刊が出たら問答無用で購入しますが、未開拓の作家さんの本はまず、表紙、それから題名、そして裏のあらすじを読みます。この時点で面白そうだな、と心を動かされればパラパラと3ページぐらい立ち読みをします。ですが、この3ページがけっこう曲者で、狭い本屋さんだと他のお客さんの邪魔になりますし、鞄が重いと肩が凝るんです。そしてなにより落ち着かないですね。だからこそ、座って読めるこの本屋敷地内カフェという空間はとても素晴らしいです。
まず、カフェで飲み物を注文します。そして、吟味中の本を手に、座り心地の良い椅子に座ります。程好い音楽が流れていて、しかも、コーヒーや紅茶が楽しめるのです。未購入の本をパラパラと読み、よし、この世界を家に持ち帰ろう。と決めて、本屋のレジに持っていく。オシャレで洗練された流れではないでしょうか。
また、本を読まずとも、カフェで飲み物を飲みながら沢山の本棚を眺めるのも乙なものですね。本好きは本を眺める事が本能的に好きだと私は考えています。美しい配列、色とりどりの表紙、まだ見ぬ無限の世界を前にして溜息を吐いてしまいます。私は、死ぬまでにあと何冊の本が読めるのだろう。どれぐらいの素晴らしい作家に、素晴らしい内容の本に出会えるのだろうか。と物思いに耽る事があります。本好きはセンチメンタルで情緒的です。きっと、頷く人も多いはずです。
本を読まない人も、ちょっとした何らかの事情でこのカフェに立ち寄るとします。周囲はみんな本を読んでいて、なんとなく、私も読もうかな。と思い立ち、選んできて読んでみます。ページを開いて、眼で文字を辿り「あ、面白い」と感じます。カフェというオシャレ空間で、本を読んでいる私。という状況もなんともいいものです。相乗効果で、本が好きになる。とても良い循環です。
ぜひ、スペースに余裕のある本屋さんにはこのちょい読みができるカフェスペースを併設してもらいたいところです。本の未来のためにもなると思います。本好きの願いです。