図鑑の虫を再考してみる
Posted by admin on 2016年5月14日生き物図鑑というものを久しぶりに読みました。哺乳類や植物のページは平和に読み進められるのですが、いつ昆虫のページになるのか冷や冷やしていましtが、ついに「虫の世界へようこそ」蓬色の題扉に差し掛かり指先がざわつきます。
10代の半ばくらいから図鑑の虫コーナーが苦手です。普段は虫に対して苦手意識はないのですが、虫の顔が拡大されていたり虫の卵や体内の構造が解説されていて直視できません。何故かと言うと、そこに私の認識を越えた真の虫の姿が存在しているからです。きっと心の何処かで虫は非現実的な生き物だとみて見ぬ振りをしているのでしょうが、図鑑によって虫の生き物っぽさが可視化される事に慣れる事ができないのです。指先は凹凸のない紙に触れているだけなのに、神経を凍えされる強烈な気色悪さに触れている気さえします。
しかし、それは昔の話で今どう感じるのかは未知数です。意を決して題扉をめくってみると…目が醒めるような赤に反射の強い黒の丸、てんとう虫が目に入りました。てんとう虫なんて久しぶりに見た私ので、その色鮮やかさが自然が産み出した奇跡的なものなのだと感動しました。子供の頃はてんとう虫はそこら辺にいて、あの水玉も日常の中の一部として見過ごしていましたが、よく考えてみればかなり奇抜でおかしなものです。
そこからは、指先を脅かしていた気色悪さの影を忘れて黙々と虫の生態について読み耽ってしまい、気づいたら二三間経っていました。虫のページに対しての恐怖がなくなったとは、私もイメージに囚われない大人になったのでしょうか。それとも好奇心旺盛な子供に逆戻りしたのか、どちらにしても虫はおもしろい生き物です。