思い出の本屋さん
Posted by admin on 2016年2月2日街の小さな本屋さんがめっきり少なくなっている気がします。うちの近所でも先月いっぱいで一軒の本屋さんが閉店しました。
そこは私が物心ついた頃から営業しているお店で、いつもおじさんとおばさんのどちらかが店先に立っていました。探している本が見つからないと親切に教えてくれたり、取り寄せてくれたりしていました。時々、近所の人がおしゃべりに来ていたりもしました。
私が小学生の頃、漫画の単行本を買いに行った時のことです。レジでお金を払おうとしたら、百円足りなかったことがありました。私は諦めて漫画を返して帰ろうとしたのですが、「足りない分は今度きた時でいいわよ」とおばさんがにこにこ笑いながら言ってくれたのです。
私はしょっちゅうその本屋さんに行っていたので顔を覚えていたのかもしれませんが、名前を言ったこともどこに住んでいるかも話していません。それなのに何もきかずに本を渡してくれたのです。私はうれしさと恥ずかしさでいっぱいで、ろくにお礼も言えずに家に帰りました。もちろん翌日、百円は返しましたが。
今では二人はおじいさんとおばあさんになってしまったので、閉店は仕方がないことなのかもしれませんが寂しいかぎりです。その本屋さんの後は、近々コンビニが入るようで今工事が進んでいます。