現代の本の出し方、表現のし方について考察
Posted by admin on 2019年6月25日最近の出版物の傾向として、SNSなどで話題となった有名人ではない一般の人にまつわる本が多く出版されているように思います。例えば、線一本で描いたいわゆる“ヘタかわいい”画風で、多くの人が共感しそうな日常の一コマを描いたコミックエッセイや、高価なブランド品ではなく全国に幅広く展開しているチェーン店の品物を使ったコーディネートを紹介し写真加工アプリを使ってお洒落な雰囲気に仕上げた写真など、インターネット・スマートフォンの普及により多くの人が表現の機会を得る事ができている良い例だと思います。一般人アカウントから発信された情報が広く拡散され、そのアカウントをフォローする人々が何千・何万と現れ大きなニーズがある訳ですから、商売人ならばここに目をつけるのは必至でしょう。手の届かない非日常の情報を知る悦びもありますが、自分もできそう・自分もやった事がある、という安心感による喜びがとくに求められている時代なのかもしれません。書店に行くと関連本の帯には「SNSで大人気!○○の育児系エッセイが遂にコミック化!」「♯プチプラ と言ったらこの人。フォロワー数2k突破」なんて宣伝文句が大々的に書かれています。
“本を出す”というと、小説や論文などを書いて出版社に持ち込んだり文学賞に応募して、やっとこさデビュー、と言った古典的なイメージを抱きがちですが、時代の移り変わりとともに“本を出す”方法も多様化しているんだなと思いました。